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ドロップショルダーTシャツ
さらさら手触り、夏に快適なドロップショルダーTシャツのはてな?
今回は今年の新作Tシャツ『ドロップショルダーTシャツ』についてお馴染みのデザイナーSさんに伺いました。
昨年発売したドルマンスリーブTシャツをリニューアルした商品ということで、新しくなったポイントや特徴を教えてもらいました。
―ドロップショルダーとはどういう意味ですか?
S「簡単にいうと、袖が落ちているという意味です。肩幅が通常のノーマルな肩幅より広くなっていて、そこから袖がつくので、袖が下がっているようなシルエットになっています。
ゆるっとしたカジュアルな雰囲気で、肩幅が広い人狭い人関係なく着用していただけます。」
―今回どのようなところがリニューアルされたのでしょうか。
S「以前のドルマンスリーブTシャツもドロップショルダーで、ドルマン袖という脇下がモモンガみたいになって緩やかなカーブに広がっているデザインでした。
着やすい型ではあったのですが、胸の大きな方やふくよかな方が着ると前身頃がひっぱられて、脇のドルマンの部分にしわが寄りやすく、シルエット的に気になるという点を改善しました。
今回のドロップショルダーTシャツは身巾、バストが広くなり、ドルマン袖のように湾曲していなくて袖もまっすぐになりました。
着たときに胸に引っ張られず脇下がしわになりにくいデザインになっています。」
―身巾が大きい分生地をたっぷり使っていますよね。初めて商品だけを見た時は少し大きそうだなと思ったのですが、着てみるとシルエットもすっきり綺麗に見えるのが予想外で嬉しかったです。
S「全体的にシルエットに落ち感があるようになっています。後身頃を長くしていますので若干お尻が隠れます。
スリットも入って裾捌きも良くなるようデザインしています。前のドルマンスリーブTシャツはレディライクな雰囲気でしたが、今年のデザインはユニセックスなTシャツ感があると思います。
襟も広すぎず、狭すぎない開きにしています。」
―首の周りもすごく着心地がいいです。後ろのこの襟付けの部分が厚く二重になっているのはなぜですか?
S「タコバインダーという名称で伸び防止のため二重にしています。
Tシャツにはよく使われる仕様です。ぐるっと一周付けてしまうと、きつい感じがしてしまうので、後ろ襟ぐりにだけつけて、前襟ぐりにはほどよく伸縮するようにつけない場合が多いです。」
―Tシャツのシリーズは毎年どんな色が出るのか楽しみですが、今回はどのような色でしょうか?
S「今年のトレンドカラーを考慮して決めました。
定番カラーのダークネイビーに、イエロー系のゴールドと、ブルー系ではサックスがトレンドということでこちらの3色にしました。
毎年新しい色を出してお客様に楽しんでいただきたいなと思っています。」
―TAKEFU70%、綿30%の天竺生地はTAKEFUのTシャツ類では定番の生地ですが、この配合率になっている理由はありますか?
S「安定が良いのだと思います。TAKEFU95%、ポリウレタン5%のつるっとした肌触りもいいですが、この竹&綿のほっとするやわらかさもいいですよね。
このコシを出すにはこの割合なのだと思います。」
―『天竺生地』とはどのようなものなのでしょうか。“天竺“と聞くと西遊記で出てくる場所が思い浮かびます。
S「この編み地がいわゆる”天竺”って呼ばれていますね。
前からみるとたて線みたいになっていて、裏から見るとなみなみしている、横方向への伸縮性に優れた編み方です。
Tシャツなどに使われる生地全般を“カットソー“と呼ぶのですが、たて糸とよこ糸からなる織物ではなく、ニット、セーター編みと同じ編み物で、カットソーの場合は糸が細いので一枚の生地のように見えます。
他には表も裏もたて線のようになっている『フライス編み』などがカットソーでは代表的です。
なぜ天竺と呼ばれているのかを調べてみると、インドの旧名である天竺が由来で、インドから輸入した生地を天竺生地・天竺木綿と読んでいたことから名付けられたと言われているようですね。」
―昔のインド由来とは!編み物の世界や歴史も深そうですね。
Tシャツの生地ってつい一枚の布に見えますが、よく見ると編んであるというのが驚きでした。
天竺生地は横方向へ伸縮しやすいので、重力で伸びないような編み目の向きで仕立てているのですね。
S「例えば同じ天竺生地でも、脇パネル(※)だけ向きを横に使ったりしているデザインの商品もあります。そうすることで脇があまり伸びすぎず、機能性がありながらデザイン性も出せます。
生地の世界も奥深くて面白いなと思いますね。
カットソーの編む糸の太さの違いで、生地の厚みだけでなく風合いも変わったりするので、織り方、編み方の特徴を理解してそれをどう使うかはいつも考えています。
あとは、どういうものが配合されているか、合成繊維が入ってるかどうかわからない生地は少し燃やしてみると、においで分かったり。
それぞれ素材によって性質があるのはおもしろいですよね。また、いろいろ知っていくとTAKEFU100%の生地のすごさが改めてわかりますよ。」
今回、Sさんの長年の経験、知識のお話も交えながら、素材の力を活かして素敵な服にするためのこだわり教えていただきました。
そこには、私が漠然と想像していたデザインという枠には収まりきらない、生地・糸・素材に対する深い理解もあり、そんな全てを含めて“デザイン“なのだと知ることができました。
※脇パネル:腕から下の胴の左右それぞれの側面
ライター・のい
1991年生まれ。ナファ生活研究所直営店 Shop of TAKEFU "eau" 勤務。
趣味は美味しいものを探して“うまみメモ”にストックすること。
お気に入りのTAKEFUアイテムはアーム&レッグウォーマー、リラックスパンツ、スパッツ。
TAKEFU no HATENA
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